2022 年 31 巻 5 号 p. 302-312
神経鞘腫は脊髄腫瘍の中で最も頻度が高く, あらゆる脊椎レベルに発生する. 摘出術により脊髄・神経の圧迫を解除し, 組織型を確認することが治療の基本である. 脊髄神経鞘腫の多くは硬膜内髄外に存在し, 後方アプローチの基本的な手技で摘出可能であるが, 脊髄前面にあるものや大型のもの, ダンベル腫瘍はアプローチ方向・神経根温存・脊椎固定・術後髄液漏予防などにつき十分な術前検討が必要である. 当科での手術戦略を紹介し, 自験例を供覧して神経機能温存と合併症対策について考察する.