2022 年 31 巻 5 号 p. 324-332
当センターにおいて手術治療を行った高位腰椎椎間板ヘルニア67例に関して, 臨床症状, 神経症候, 治療法の変遷について後方視的検討を行った. 症状・症候としては鼠径部, 大腿前面部に疼痛・しびれが分布することが多く, 足関節以遠のしびれや下肢腱反射亢進を伴うこともあった. 手術用顕微鏡下の腰椎椎間板ヘルニア摘出術は, L1/2レベルのヘルニアで実施される頻度はかなりまれであったが, L2/3レベルでは約半数はこの術式にて治療されていた. ここ5, 6年で治療法は大きく変化しており, 内視鏡下手術, コンドリアーゼ注入療法は今後の治療の選択肢となり得ることが予想された.