2023 年 32 巻 12 号 p. 795-801
頚動脈狭窄による虚血イベント発生においては, 狭窄症率のみでなく, 「プラークの性状」 がきわめて大きな役割を果たすことが明らかとなっており, vessel wall imagingを加味した治療戦略の重要性が認識されるようになった.
頚動脈狭窄に対する治療には, 多面的内科治療を基本とし, 頚動脈内膜剝離術 (CEA) や頚動脈ステント留置術 (CAS) を併用する多角的アプローチがあるが, 各領域における近年の進歩や多様化は著しい.
病態に即した適切な医療を提供するために, 頚動脈病変の治療は, 脳卒中内科医・CEA術者・CAS術者からなるチームにより行われるべきであり, さらに, 頚動脈狭窄症を全身脈管病と捉え, 動脈硬化に関わる各科から構成される横断的チームによる包括的なアプローチが求められる.