2024 年 33 巻 1 号 p. 19-26
側壁型動脈瘤には, ほとんどの内頚動脈瘤と椎骨動脈瘤などが含まれる. フローダイバーター (flow diverter : FD) の保険適用が最大径5mm以上と大幅に緩和され, ほぼすべての側壁型動脈瘤が保険適用となり, 選択肢の幅が大きく拡がった. FDの根治性の高さは疑いの余地がなく, 傍鞍部内頚動脈瘤, 特に若年者ではFDが著効するため, 第一選択とするのは妥当と思われる. 一方で, 高齢者や胎児型後交通動脈瘤などFD無効症例群が存在する. このような症例に対する安易なFD選択は慎み, 他の標準治療を十分に検討すべきである.