2024 年 33 巻 2 号 p. 135-141
C1-C2間のbow-hunter症候群2例に対して, 頚椎前方アプローチでC2横突孔開放による椎骨動脈の除圧を行った. 2例は, 70代と80代の女性で, 左椎骨動脈の閉塞があり, 頚部を左に回旋することによって眼前暗黒感とめまいが出現した. 手術は, 通常の頚椎前方アプローチで, C3からC2へ右横突起を露出し, 横突起間の椎骨動脈をドップラー血流計で確認後に, C2右横突孔の前壁をドリリングして開放した. 術後は, 頚部回旋による症状は消失した. C1-C2の椎骨動脈の解剖構造を考えると, 後方からのC1横突孔開放よりは, 前方アプローチによるC2横突孔開放がより確実に回旋性の椎骨動脈狭窄を防ぐことが可能である.