脳神経外科ジャーナル
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特集 頭部外傷
セカンドインパクト症候群は存在するのか?
小守林 靖一眞瀬 智彦小笠原 邦昭
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2024 年 33 巻 4 号 p. 267-274

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抄録

 セカンドインパクト症候群 (SIS) は軽微な頭部外傷後, 平均1~2週間後に2回目の頭部外傷を受け重篤な状態に陥るとされている. 重要な点は2回目の軽微な受傷機転でびまん性脳腫脹を伴う重症頭部外傷を発症し得るということにある. 現時点では対処のしようがなく, 起こらないようにするほかない. 急性硬膜下血腫を伴うことが数多く報告されているが少量であることが多く, びまん性脳腫脹をきたす原因については多くの議論がある. SISは概念を表現するに過ぎず, 安易に診断名として使うべきではないが, 病態解明への努力は続けるべきであろう.

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© 2024 日本脳神経外科コングレス

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