2024 年 33 巻 5 号 p. 316-324
脊髄脂肪腫新分類では胎生期の神経管形成過程を背景に脊髄脂肪腫をtype 1~4に分類した. この新分類は以下の点で病態解明を進展させ, 治療概念を深める契機となる.
1. 脊髄脂肪腫を発生学的に系統立てて分類
2. 脊髄脂肪腫が移行期神経管形成期 (junctional neurulation) を経て二次神経管形成過程にも及ぶ器官形成障害により発生することを解明
3. 新分類が脊髄脂肪腫の臨床像を反映し治療選択の選択指針となる
この分類をもとに, 今後脊髄脂肪腫に対する葉酸の予防効果, 肛門直腸異常との合併, 手術成績の比較, 長期予後の予測といった課題に対する新たな臨床研究が進むことが期待される.