脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
特集 小児脳神経外科
小児髄芽腫の分類と治療
山口 秀藤村 幹
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2024 年 33 巻 5 号 p. 339-345

詳細
抄録

 代表的な小児脳腫瘍である髄芽腫については, 遺伝子発現の差異などをもとにした分子分類が発達している. 最新のWHO分類では, 髄芽腫の診断として病理学的分類ではなく分子分類のみが採用され, WNT群, SHH群, Group3, Group4の4群に分類される. 分子分類が重要視されているのは, 予後をよく反映しているためである. 髄芽腫の治療は, 年齢, 残存病変や転移・播種病変の有無による臨床的なリスク分類に基づいて治療が行われてきた. これに分子分類の情報を加えることで, よりよい治療方法の選択と予後改善が期待される. われわれ脳神経外科医には, 髄芽腫の治療動向を把握し, 長期生存を見据えた手術を提供する責務がある.

著者関連情報
© 2024 日本脳神経外科コングレス

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top