2024 年 33 巻 7 号 p. 477-485
血管内治療における術野は, モニターに映し出された2方向の二次元画像である. 重なり合った血管を分離して視認できれば, 比較的容易に適切な術野をつくることができるが, 視認できない周囲構造物を考慮して血管の機能を認識しておくことも重要である. 複雑な構造の動静脈シャント疾患の血管構築を把握するためには, 術前に3D-rotational angiographyやcone beam CTのslab maximum intensity projection画像をよく観察して微小血管解剖を理解し, 術中に三次元の血管構築を頭の中で再構成できるように準備しておくことが有用である. 本稿では, 安全で確実な血管内治療のために必要な機能的微小血管解剖とその読影方法について概説する.