日本食品微生物学会雑誌
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原著
QUALIBAXTM Systemを使用した油粕におけるサルモネラ迅速検査法の検討
北澤 秀基 行縄 陽介青木 博史植田 富貴子盛田 隆行望月 眞理子
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2017 年 34 巻 1 号 p. 13-20

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抄録

配合飼料原料として使用される油粕は,古くからサルモネラ汚染が報告されている.油粕の製造現場では,製品や製造環境材料を対象に,定期的にサルモネラ検査を実施しているが,製造現場に適した検査法として,近年,QUALIBAXTMシステムなどの簡易迅速検査法が開発されてきた.しかしながら製造現場では,工程汚染の早期発見や製品の迅速な出荷などを目的に,さらなる迅速化が求められている.そこで,製造環境材料などからサルモネラを短時間で効率よく検出することを目的に,検査時間のさらなる短縮を試みた.まず,前増菌培地を検討した結果,MP培地はBPWなどの他の培地と比較し,7 hr培養後の菌数は有意に高かった(p<0.001).次に,前増菌培養後のDNA抽出段階においてQuickGene-Mini80を用いることにより,感度が大幅に向上した.MP培地,QuickGene-Mini80およびQUALIBAXTMシステムを組み合わせて使用することにより,10 hr以内でサルモネラを検出できる可能性が示唆された.この方法は製造現場における品質管理に有用であると考えられた.

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© 2017 日本食品微生物学会
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