脳神経外科ジャーナル
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脊髄疾患の病態生理(<特集>脊椎・脊髄の外科治療[1])
橘 滋国
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1995 年 4 巻 1 号 p. 5-10

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抄録
頸椎椎間板障害では脊髄障害発生に頸椎動態が関与する.頸椎後屈位で脊椎管狭窄は増強し,この場合,長索路徴候が神経症状の主体をなす.一方,頸椎前屈により頸髄は伸張され脊椎管前方構造物に圧着される.脊髄伸張負荷による脊髄内圧の上昇は時に生理的限界を越え,脊髄障害,特に脊髄虚血を介した髄灰白質主体の障害の原因となる.一方,肋骨が付着する胸椎では頸椎・腰椎に比較してその可動域が小さく,脊椎・脊髄動態の関与は少ない、と考えられてきた.しかし,脳髄髄外腫瘍で胸椎動態が神経症状の出現に関与したと考えられる症例も存在する.したがって,脊髄疾患治療にあたっては脊椎・脊髄動態を考慮にいれ治療に当たるべきである.
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© 1995 日本脳神経外科コングレス

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