脳神経外科ジャーナル
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宮城県における破裂脳動脈瘤によるクモ膜下出血の治療成績特集(<特集>Overall outcome よりみた脳動脈瘤治療の問題点[1])
桜井 芳明荒井 啓晶
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1995 年 4 巻 3 号 p. 207-212

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抄録
われわれは従来より,クモ膜下出血に対し積極的に急性期外利的治療を行ってきたが,疾患を取り巻く状況は変化してきている.そこで1984.1991年の各1年間のクモ膜下出血おのおの268,321例につき比較し,治療成績の推移を検討した.結果:1)女性の増加と高齢化がみられた.2)発症早期に担送入院の傾向(平均4.6→2.4日)がみられた.3)入院時grade4,5の増加,Fisher3の増加をみた.4)根治術の適応はgrade4までで,より早期手術を行う傾向を認めた.5)血管攣縮はFisher2,3で発生率が低下したが,手術成績に改善はなかった.7)またいったん症候性脳血管攣縮が起きた場合の予後は不良だった.8)Grade4,5の約半数は保存的治療を行ったが,死亡率は70%以上だった.9)両年の全体の成績はexcellent, goodあわせ60%前後と有意差はなかった.
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© 1995 日本脳神経外科コングレス

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