脳神経外科ジャーナル
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重症頭部外傷における転帰の早期判定 : Glasgow Coma Scale,年齢およびTraumatic Coma Data BankのCT分類による検討
小野 純一山浦 晶久保田 基夫興村 義孝磯部 勝見
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1996 年 5 巻 2 号 p. 133-140

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抄録

重症頭部外傷の転帰をTCDBのCT分類と年齢,GCSscoreなど種々の臨床的パラメータを用いて,受傷後早期に判定することを試みた.diffuse brain injury(DBI)I型の転帰は全例良好であった.DBI II型では年齢とCT上の病巣の多発が転帰と強い相関を示した.DBI III・IV型ではGCS scoreのみで転帰の予測が可能であった.mass lesionの硬膜外血腫群,急性硬嚥下血腫群ともにGCS scoreのみが転帰と有意な相関を示した.また脳内血腫群の転帰は全般的に不良であった.重症頭部外傷をTCDBの各病型に分類した場合,統計学的にはDBI II型を除き,GCS scoreのみで転帰の早期判定が可能であると思われた.

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© 1996 日本脳神経外科コングレス
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