山口赤十字大学病院脳神経外科
九州大学医学部脳神経病研究施設外科
1996 年 5 巻 2 号 p. 141-144
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症例は76歳の女性.痴呆で発症し,CT・MRIで左前頭部にくも膜嚢胞を認めた.嚢胞壁切除術を行い,くも膜嚢胞消失とともに痴呆も改善した.5年後再び物忘れが出現し,くも膜嚢胞の再発を認めた.嚢胞腹腔短絡術を行い,嚢胞の消失とともに物忘れも消失した.高齢者で診断されるくも膜嚢胞は少なく,痴呆で発症したものはわれわれが調べた範囲では3例のみで,比較的稀と考えた.症候性のくも膜嚢胞にはまず嚢胞切除術を行い,再発したものには嚢胞腹腔短絡術を行うのがよいと考えた.
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