脳神経外科ジャーナル
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内頸動脈海綿静脈洞近傍動脈瘤の手術適応と術式(<特集>海綿静脈洞病変をどう治療するか)
佐野 公俊加藤 庸子早川 基治二宮 敬明石 克彦渡辺 伸一神野 哲夫
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1996 年 5 巻 3 号 p. 173-179

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抄録
内頸動脈海綿静脈洞近傍動脈瘤の分類,治療適応,治療法は明確ではない.われわれは自騒例より,分類を内頸動脈の解剖学的Segmentationで分類し,動脈瘤の向き,大きさは付加事項とするのが一般的に受け入れやすいと考え,horizontal,clinoid,ophthalmic Segmentの動脈瘤とよぶことを提唱した.このうち治療の対象となるのは症候性動脈瘤と,無症候性ではophthalmic Segmentの動脈瘤全部とclinoid Segmentの内側または下方向き動脈瘤である.治療法のうち特に手術法は,前床突起を硬膜外,または硬膜内から除去した後,動脈瘤の向きによって,通常の直クリップ,または曲り有窓クリップを用いて,clippingを行うのが有用である.海綿静脈洞内巨大動脈瘤では,動脈瘤内でorificeを確認のうえ親血管を再構築し,orifice間のgraft術を行う方法,動脈瘤をtrappingのうえC2-C5 bypassを行う方法,また内頸動脈中大脳動脈のbypass術を行う方法などがあげられる.
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© 1996 日本脳神経外科コングレス

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