脳神経外科ジャーナル
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Metallothionein陽性を示した悪性神経鞘腫の1例
川口 務横山 博明市倉 明男福田 清輔鬼塚 正成中村 俊介岸川 正大
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1996 年 5 巻 4 号 p. 281-285

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抄録
左頸静脈孔部の下位脳神経と左三叉神経に発生した悪性神経鞘腫の1例を報告し,metalloth-ionein陽性の結果を含め,若干の文献的考察を行った.症例は55歳,男性.頭痛,嘔気,嘔吐にて発症,全身状態は不良で,るいそうを呈し,下位脳神経障害,小脳症状がみられた.MRでは左頸静脈孔部に径約3cmの腫瘍と,これとは別に左三叉神経にも小さな腫瘍を認めた.臨床経過としては,髄腔内播種を併発するなどきわめて悪性で,発症から約5カ目で死亡した.病理学的には神経束との連続性,移行像を有する腫瘍で,細胞成分に富み,一部に壊死巣を認め,局所的に多数の核分裂像もみられ,悪性神経鞘腫と診断した.
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© 1996 日本脳神経外科コングレス

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