脳神経外科ジャーナル
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頸動脈内膜剥離術 : 合併症を避けるための基本手技
塚原 徹也秋山 義典野村 素弘橋本 信夫
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1997 年 6 巻 11 号 p. 731-736

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抄録
北米を中心にした大規模な臨床試験により,症候性の高度内頸動脈狭窄症に対しては6%以下,無症候性の高度内頸動脈狭窄症に対しては3%以下の mortality,majormorbidityで施行されれば,頸動脈内膜剥離術(CEA)はstroke発生率を統計学的有意差をもって抑制することが確認された.日本では,今までCEAの手術件数が少なかったため日本人に適した手術法の開発が十分なされておらず,また,各施設で散発的に手術が行われるものの治療成績の分析は厳しくされていないのが現実と思われる.ここでは,この数年われわれが行ってきたCEAの方法を具体的に示し,治療成績を検討した.その結果,日本人では狭窄病変が椎骨C2レベル以上に達する症例も多いが,大きな合併症を十分に低く抑えることは可能であった.しかし,脳神経麻癖の出現は一過性ではあるが,比較的高率にみられ,より安全で確実な手術法の罹立が望まれる.
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© 1997 日本脳神経外科コングレス

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