抄録
頭蓋底外科の合併症とその回避方法について報告する.頭蓋底部の再建における基本的な操作は,まず硬膜を遊離自家組織を用いて密に閉鎖し,その後に血行のある組織弁を用いて硬膜を覆うことである.正しく再建されていれば,術後に髄液漏が生じても腰椎部持続髄液ドレナージのみで容易に治癒させることができる.橋静脈や脳表静脈は,他の静脈の損傷時に側副循環を形成する可能性があるため,たとえ小さくてもできるだけ温存する.顔面神経は再生能力が強いため,術中に損傷した際はその場で再建する.頭蓋底外科では,到達法自体によってもたらされる合併症があるため,適応を十分に検討する.