抄録
lateral suboccipital approachによる100症例の聴神経腫瘍摘除の手術成績を報告するとともに,合併症防止のためのいくつかの注意点(モニタリング,関頭,内耳道開放の際の留意点,顔面神経,聴神経の同定および剥離の際の留意点など)につき記載した.顔面神経の解剖学的温存率は,96%であった.顔面神経の退院時のfunctional outcomeは,House-Brackmann gradeでgrade 1 & 2が60%であったが,6カ月後の follow-upでは83%に改善していた.術前職カが Gardner分類の class 1の有効聴力温存率は12/19(63%)で,術前聴力が class 2の症例では4/12(33%)にとどまった.全体の有効聴力温存率は,16/31(52%)であった.