脳神経外科ジャーナル
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悪性脳腫瘍の分子生物学(<特集>悪性脳腫瘍のトピックス)
佐谷 秀行
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1997 年 6 巻 5 号 p. 306-310

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抄録
癌遺伝子および癌抑制遺伝子とよばれる2つの遺伝子群は,細胞内のさまざまな部位で,異なった機能により増殖・分化のバランスを保ち,細胞の恒常性を維持していると考えられる.しかし,これらの遺伝子に異常が生じると,細胞は恒常性を失い,発癌への道をたどることになる.悪性脳腫瘍もほかの臓器に発生する腫瘍と同様,p53,p16遺伝子などの癌抑制遺伝子の変異が多くみられ,その発生および進展の分子機構が徐々に解明されつつある.本稿では,悪性脳腫瘍発生にかかわる遺伝子異常につき概説し,それらの分子生物学的所見に基づいた新たな治療法に関する展望を述べてみたい.
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© 1997 日本脳神経外科コングレス

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