脳神経外科ジャーナル
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眼窩内動静脈奇形の1例
江崎 孝徳三橋 立森 健太郎前田 稔
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1997 年 6 巻 7 号 p. 484-487

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抄録
脳梗塞の精査中に偶然に発見された眼窩内動静脈奇形(intraorbital AVM)の1例を報告した.本症例は神経眼科的には異常を認めず,脳血管撮影では右眼動脈を流入動脈とし,眼球後方で視神経上方にnidusを有し,上眼静脈を流出静脈とし海綿静脈洞へ灌流していた.治療することなく経過観察中である.眼窩内動静脈奇形は稀で,本症例を含め13例の報告を認めるのみである.その特徴として,男性に多く,一側性眼球突出として発症する場合が多いが,進行性の眼球機能障害をきたすことは比較的少ない.流入動脈の多くは眼動脈であり,流出静脈の多くは眼静脈であった.進行性の眼球機能障害は少なく,流入動脈の多くが眼動脈であることから,その治療・手術に関しては慎重を要すると考えられた.
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© 1997 日本脳神経外科コングレス

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