脳神経外科ジャーナル
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中頭蓋底より蝶形骨洞へ髄液の流出を認めた非外傷性髄液鼻漏の1例 : 術前画像診断の有用性と解剖学的特徴について
神作 憲司久保田 基夫小林 英一佐伯 直勝山浦 晶今野 昭義
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1997 年 6 巻 7 号 p. 478-483

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抄録
中頭蓋底より蝶形骨洞へ髄液の流出を認めた非外傷性髄液鼻漏の1例を報告する.症例は54歳男性で,突然の鼻漏で発症した.CT, bone-window CTにより,蝶形骨洞の拡大が認められた.3D-CTで中頭蓋底の骨欠損が,CT cisternogramで蝶形骨洞への髄液の流れが,MRIで脳ヘルニアが認められた.髄液痩孔閉鎖術が行われ,術後鼻漏はみられていない.われわれが渉猟し得た範囲では,中頭蓋底に骨欠損が確認された症例は18例であり,特徴として,骨欠損は多発し中頭蓋底前内側部に存在すること,髄液は外側に伸展する蝶形骨洞を経由することがあげられた.また,日本人16例の蝶形骨洞を計測し,考察を加えた.
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© 1997 日本脳神経外科コングレス

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