脳神経外科ジャーナル
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前頭洞炎から波及した反復性脳膿瘍の1例 : 頭蓋底破壊性病変における3D-CTの有用性
鈴木 泰篤川俣 光松本 浩明松本 清
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1998 年 7 巻 10 号 p. 639-643

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抄録
前頭洞炎より波及した脳膿瘍に対し3D-CTにて骨破壊の所見を確認し, 感染源も含めて根治できた症例を経験した.症例は58歳の男性で痙攣後の意識障害と右片麻痺にて来院した.頭部CTとMRIにて左前頭葉に2つの嚢胞性病変が, 3D-CTによる頭蓋底の検索では左前頭蓋底の先端に辺縁の不規則な骨欠損が認められた.定位的膿瘍吸引術を施行し, 後日前頭洞炎に対する根治手術を追加, 感染源も含め治癒せしめた.頭蓋内感染の原因が局所感染の波及による場合, 3D-CTによる骨破壊の検索は診断, および治療方針の決定に有用な情報が得られると考えられた.
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© 1998 日本脳神経外科コングレス

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