脳神経外科ジャーナル
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髄液鼻漏を合併した斜台縦走骨折の1例
中村 文明当麻 直樹久我 純弘小島 精和賀 志郎
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1998 年 7 巻 11 号 p. 699-702

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抄録
斜台縦走骨折により髄液鼻漏をきたした58歳, 男性例に対し, transsphenoidal approachでCSF fistulaの閉鎖術を施行した.頭部外傷による髄液鼻漏の原因は, 前頭蓋底骨折に伴う場合が最も多いが, 時に蝶形骨骨折, 錘体骨折などによることもある.本稿では通常の発生部位と異なり, CSF fistulaが斜台縦走骨折による硬膜およびくも膜損傷によって生じた1例について述べている.斜台骨折には, 椎骨動脈や脳底動脈の閉塞や脳神経麻痺などが合併することが知られているが, 文献上検索し得た範囲では髄液鼻漏の報告は見当たらない.頭部外傷後, 髄液鼻漏が起こった症例では非常に稀であるが, 本例のように斜台骨折も考慮に入れる必要がある.
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© 1998 日本脳神経外科コングレス

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