日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-46
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ポスタ―発表
食生活の変遷を可視化する試み
豆腐屋の数と分布の50年史:市部と郡部の比較
*高橋 洋子
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抄録

【目的】地域で製造・販売されていた豆腐が,過去50年ほどの間に次第に製販分離・広域流通化した経緯を検討し,身近な地域(新潟)を例に検証した結果を日本家政学会大会(2014)で,盛岡・山形・福島・新潟・富山・鳥取・那覇の7市を比較した結果を日本調理科学会大会(2014)で報告した。本報では,市部と郡部の比較に主眼をおいて,豆腐の生産・流通・消費の変遷とその背景について検討した。

【方法】総務省「家計調査」・厚生労働省「衛生行政報告例」・各地の職業別電話帳を資料として,1960年代~2014年までの期間の豆腐の購入数量および豆腐屋の数・分布の変遷について,全国動向の把握ならびに市部と郡部の比較を行った。

【結果】(1)豆腐の購入数量:家計調査(1963~2013年の都市階級別データ)から、1974年頃までは市部>郡部,1982年頃からは市部<郡部という傾向がみられた。(2)豆腐屋の数:家計調査(1989~2013年の都市別データ)をもとに,豆腐を多く購入していた盛岡・富山・鳥取の3市を選び,岩手・富山・鳥取の3県について,職業別電話帳(1967~2014年)に掲載されていた豆腐屋の数を,10年程度の間隔で各県6時点ずつ調査した。1967年の店舗数については,当時の電話普及率を勘案する必要があるが,それ以降の時点の店舗数から,厚労省統計の全国データと同様の減少傾向が示された。2014年の職業別電話帳に記載されている豆腐屋の数は,3県とも最多時点の20~30%(市部)・10~15%(郡部)であった。(3)豆腐屋の分布:3県各々6時点の豆腐屋数を,地図上に市町村毎にプロットし,豆腐屋の無い村や町が出現した様子などを図示した。

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