1995年と1997年に欧米から2種の治療管理のガイドラインが発表された.前者は過去の臨床研究業績を検証した結果に基づくevidence-based guidelines (Brain Trauma Foudation)であり, 後者はEuropearn Brain Injury Consortium (EBIC)のconsensus-based guidelineである.作成の手法は異なるが, いずれも成人のGCS score 8以下の重症例を対象としたもので, prehospital care, ICU管理が主体である.本稿ではこの2種のガイドラインについて, その作成の目的や内容を概説するとともに, われわれの施設における最近のプロトコールとその成績について述べた.さらに重症頭部外傷の治療や管理のスタンダードやガイドラインについて私見を加えて考察した.