脳神経外科ジャーナル
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クモ膜下出血急性期の管理
塩川 芳昭斎藤 勇
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1999 年 8 巻 3 号 p. 168-174

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抄録
クモ膜下出血(SAH)の急性期管理について, 発症後の時系列とこれに対応した急性期の病態に従って述べ, 合わせて最近の治療成績を比較検討した.SAHの治療は時期に応じて変化する種々の病態, すなわち(1)primary brain damage, (2)再出血, (3)脳血管攣縮, (4)呼吸循環不全による低酸素障害などに対する的確な管理が必要である.著者らの過去2年間の連続191症例の治療成績は, grade IV, Vが全体の55%を占め, 平均年齢62.1歳の集団に対して, 59%に手術, 7%に塞栓術が行われ, 治療例の約2/3で良好な転帰わとったが, 強いprimary brain damageを受けた症例の治療はなお満足すべき結果とはいえなかった.
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© 1999 日本脳神経外科コングレス

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