救急医療体制の下, 高度救命救急センターにおける最近のクモ膜下出血(SAH)の症例を分析し, SAH急性期における患者管理について検討した.対象は最近2年間に当センターに搬入された連続200例のSAHである.搬入時心肺停止を含めたpoor grade症例が半数以上を占め, 積極的な神経集中管理の下, 脳保護を図る重要性が指摘された.急性期管理をprehospital phase, hospital phaseの各phaseに分けた対応と工夫が必要であり, 特にprehospital phaseにおける搬送時の降圧, 鎮静化の徹底化, さらに3次元CTアンギオをSAH周術期の管理(術前, 術後, 脳血管攣縮の評価)に使用し, 診断の低侵襲化を図ることも重要と考えられた.