脳神経外科ジャーナル
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思春期に頭蓋内圧亢進症状で発症した頭蓋転移神経芽細胞腫の1例
藤田 浩二仲 寛西村 泰彦中村 善也辻 直樹木戸 拓平上松 右二
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2000 年 9 巻 1 号 p. 20-24

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抄録

思春期に, 頭部腫瘤を生じる前に頭蓋内圧亢進で発症した神経芽細胞腫頭蓋転移例を報告する.症例は頭痛, 両側外転神経麻痺で発症した15歳, 男児.この頭蓋内圧亢進症状は, CT, MRIで認められた多発硬膜外腫瘍による広範な脳の圧迫に加え, 脳血管撮影で認められた腫瘍による上矢状静脈洞後半部の圧迫による静脈灌流障害によるものが示唆された.その後, 頭皮下腫瘤が出現し, 急激に増大, 摘出術を施行, 神経芽細胞腫と診断した.このように本腫瘍は頭蓋転移巣の個数, 位置によっては頭皮下腫瘤を呈する前に頭蓋内圧亢進で発症することもあり, 思春期例とはいえ, 本腫瘍の可能性も考慮すべきであると思われた.

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© 2000 日本脳神経外科コングレス
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