抄録
この論文の目的は,コンピュータディスプレイ内における階層的メニューの探索時の認知負荷について瞬目を指標として検討することである.実験参加者の課題は実験のために作成されたWWWページをあらかじめ定められた順序に従って探索することである.2つの実験条件が準備された.ひとつは,自分で次の場所を探す条件で,もうひとつは,“NEXT”アイコンをクリックするだけの条件である.その結果,2つの条件間に違いは見られなかった.しかし,メニュー項目の探索時には瞬目が抑制され,その後に頻発する現象が見られた.この現象は,認知負荷によって生起したものと考えられる.瞬目によって,階層的メニューの連続探索時の認知負荷を確かめることができた.