認知心理学研究
Online ISSN : 2185-0321
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6 巻 , 1 号
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原著
  • 松尾 太加志
    6 巻 (2009) 1 号 p. 1-10
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    この論文の目的は,コンピュータディスプレイ内における階層的メニューの探索時の認知負荷について瞬目を指標として検討することである.実験参加者の課題は実験のために作成されたWWWページをあらかじめ定められた順序に従って探索することである.2つの実験条件が準備された.ひとつは,自分で次の場所を探す条件で,もうひとつは,“NEXT”アイコンをクリックするだけの条件である.その結果,2つの条件間に違いは見られなかった.しかし,メニュー項目の探索時には瞬目が抑制され,その後に頻発する現象が見られた.この現象は,認知負荷によって生起したものと考えられる.瞬目によって,階層的メニューの連続探索時の認知負荷を確かめることができた.
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  • 安田 晶子, 中村 敏枝
    6 巻 (2009) 1 号 p. 11-19
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    本研究では,身体反応と音楽聴取時の感動がどのような関係にあるのかを定量的に追究することを目的とした.はじめに,聴取実験での評定項目を選定する目的で質問紙調査を行い,音楽聴取時に頻繁に経験されていた5つの身体反応(「鳥肌が立つ」「胸が締め付けられるような感じがする」「背筋がぞくぞくする」「涙が出る」「興奮する」)を選出した.次いで行った予備実験では,本実験での刺激曲として曲想の異なる2曲を選定した.本実験では,150名の実験参加者が,刺激曲の聴取中に生じた感動と5つの身体反応の強度について評定を行った.その結果,5つの身体反応評定値はいずれも感動評定値と有意に高い相関を示した.よってこれらの身体反応は,すべて音楽聴取時の感動と強く関連することが示唆された.さらにこれら5つの身体反応評定の平均値は,感動評定値とのより高い相関を示し,この傾向は曲想の異なる刺激曲を用いた実験参加者群で一致した.すなわち,これらの身体反応を総合すると音楽聴取時の感動との間に顕著に強い関連性が示された.
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  • 加地 雄一, 仲 真紀子
    6 巻 (2009) 1 号 p. 21-33
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    “ペンを持ち上げる”などの言語的指示を覚える際に,その行為を実演すると,しない場合に比べて記憶成績が向上する.これを実演効果と言う.本研究の目的は,実演効果が生じる境界条件を,日本手話を用いて検討することである.実演効果の有力な説として,記憶痕跡の運動的構成要素を重視する運動プログラム説がある.他方で,動作と対象の連合を重視するエピソード的統合説がある.これらの説が手話による実演効果に対してどれくらい適用できるか検討するために,手話の2つの属性を操作した.1つは手話の動作の再現しやすさの度合い(“再現容易性”)であり,もう1つは手話の動作から意味がどれくらいイメージできるかの度合い(“イメージ性”)である.実験1では,4つの種類の材料(高再現-高イメージ,高再現-低イメージ,低再現-高イメージ,低再現-低イメージ)を,実演,観察するか,言語材料を見るだけによって学習した.実験1の結果,材料の種類,学習条件による違いは見られなかった.しかし,イメージ性を最大にした実験2では,再現性の高い材料で実演効果が見られた.これらの結果を,諸説の説明可能性の観点から考察した.
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  • 上田 紋佳, 寺澤 孝文
    6 巻 (2009) 1 号 p. 35-45
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    本研究はランダムな音列の記憶が長期に保持されるか否かを間接再認手続き(寺澤・太田,1993)を用い,集団実験によって検討した.間接再認手続きは2つのセッションから構成される.第2セッションは一般的な再認実験であり,リスト学習とそのリストに関する再認判断が求められ,第1セッションで音列を聴いた影響がその再認成績に基づき検討される.セッション間には4週間(実験1)と14週間(実験2)のインターバルが入れられた.実験参加者は各セッションにおいて提示される音列のそれぞれについて好意度評定が要求された.第2セッションのみ,好意度評定実施後,直前の好意度評定で聴いた音列かどうか判断することが要求された(間接再認テスト).実験の結果,第1セッションに出現した音列に対するヒット率と虚再認率が,出現していない音列に比べ2割から3割程度高くなることが明らかとなった.このことから,符号化の難しい聴覚情報が潜在記憶として長期に保持される可能性が示された.教育的な応用可能性が議論された.
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資料
  • 大塚 一徳, 宮谷 真人
    6 巻 (2009) 1 号 p. 47-55
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    本研究は,問題解決におけるワーキングメモリ容量個人差の影響について検討することを目的とした.実験課題として,ワーキングメモリ上の処理資源を必要とする課題で数当てゲームの一種であるMastermindという簡易なゲームを用いた.実験においては,28名の実験参加者が実験に参加した.まず実験参加者は日本語版RSTによってリーディングスパンが測定された.次に,問題空間の異なる3種類のMastermind(2桁版,3桁版,4桁版) を行った.実験の結果,7名の低スパン群の被験者は,7名の高スパン群の被験者に比べて成績が劣り,特にもっとも問題空間の大きい課題 (4桁版) の場合,両群間の差は顕著であった.この実験結果をもとに問題解決におけるワーキングメモリ容量個人差と問題空間の影響について,ワーキングメモリにおける資源の領域固有性,汎用性,情報の制御機能という観点から考察を行った.
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  • 眞嶋 良全
    6 巻 (2009) 1 号 p. 57-63
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    本研究は,仮説検証過程における検証事例の選択が,検証過程を通じて変化するかどうかを検討するために行われた.75名の実験参加者は,2-4-6問題,および新エリューシス課題とよばれる規則発見課題のいずれかを解いた.参加者は,初期事例を与えられた後で,その事例を含む規則を発見するよう求められた.参加者は,毎試行において,その時点で考えられる仮説を挙げ,検証事例を選ぶよう求められた.また,検証事例が規則に合致するか否かがフィードバックされ,参加者は規則を発見したと確信が持てたときに,それを報告するよう求められた.その結果,仮説検証の終盤において,複数の仮説に対する相互排他的な検証を行う診断テストの選択が減少する一方で,仮説に沿った正事例検証,および仮説に沿わない負事例検証の選択は増加することが示された.負事例検証の選択の増加は,特に正解到達者において顕著であった.この結果から,検証の選択は,仮説検証過程を通じて固定したものではなく,少なくとも序盤と終盤では,異なった方略に基づいて選択が行われていることが示唆される.
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  • 山本 晃輔
    6 巻 (2009) 1 号 p. 65-73
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    本研究では日誌法を用い,“プルースト現象”——におい手がかりによって自伝的記憶が無意図的に想起される現象——の調査を行った.30名の参加者は1カ月間,プルースト現象が生起したときに記憶の内容およびその想起状況について記録するように求められた.その結果,ほとんどの記憶が古く,快でかつ情動性が高く,特定的で追体験感覚を伴った出来事であることが示された.加えて,手がかりとなったにおいは快でかつ感情喚起度が高く,命名が容易であった.また,想起状況の分析から,想起時の活動が副次的な手がかりとして作用することはまれであった.さらに,感情一致効果が見られた.これらの結果はにおい手がかりによって喚起された感情がプルースト現象の生起に影響することを示唆している.
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  • 野内 類, 兵藤 宗吉
    6 巻 (2009) 1 号 p. 75-83
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    本研究では,Remember-Knowパラダイムを用いてエピソード想起課題における検索過程の違いが気分一致記憶に及ぼす影響を検討した.大学生60名が実験に参加した.参加者をポジティブ気分群とネガティブ気分群と音楽聴取を行わないニュートラル群に割り振った.各群の参加者には4秒間隔で刺激語が呈示された.刺激語は快語30語と不快語30語の形容詞を使用した.参加者は刺激語から自伝的記憶もしくは母親のエピソードが思い出せるの(Remember)か,わかるだけ(Know)か,想起できないか(Not)の判断を行った.実験の結果,刺激語の再生率では,回想を伴う意識的検索において自伝想起課題でも他者エピソード想起課題でも気分一致記憶が得られた.このことから気分一致記憶の生起には,学習時に回想を伴う意識的検索が重要であることが示された.
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  • 吉野 巌
    6 巻 (2009) 1 号 p. 85-92
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    本研究は,動的な音楽を聴いたときは動的な感情が,静的な音楽を聴いたときは静的な感情が自動的・無自覚的に喚起するかどうか検討するために,感情2次元モデルの活動性次元において,聴取音楽と単語判断の間に気分一致効果が見られるかどうかを調べたものである.実験では,実験参加者に動的音楽か静的音楽のどちらかを聴かせながら,単語(動的/静的)か非単語をディスプレイに呈示して活動性判断(動的か静的か非単語か)を求める(反応時間を測定)とともに,本試行終了後に偶発再生を求めた.その結果,特に音楽と単語がともに動的である場合,反応時間にのみ気分一致効果が認められた.音楽聴取によって活動性次元での感情反応が起きていることが示唆される.
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