日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
ISSN-L : 0047-1801
症例報告
結腸憩室炎に対する内視鏡的ドレナージが奏効した2例
小杉 千弘幸田 圭史安田 秀喜山崎 将人手塚 徹樋口 亮太杉本 真樹済陽 義久矢川 陽介
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 61 巻 5 号 p. 254-259

詳細
抄録

結腸憩室炎に対する治療法は軽∼中等症の場合では絶食·抗生物質投与による治療が行われるが,穿孔ないし穿破をともなう場合,外科的治療が選択されることが多い.今回我々は穿破による膿瘍形成した憩室炎に対し,大腸内視鏡を用いて排膿術を施行,保存的治療にて軽快した2例を経験した.2症例は右側腹部痛,発熱を主訴に当院受診.CTにて上行結腸に広範な壁肥厚像,膿瘍形成を認め,穿破による憩室炎の診断となった.大腸内視鏡施行し上行結腸の広範な炎症を認め,表面に白苔をともなう排膿している憩室に対し,生理食塩水にて洗浄し,膿瘍ドレナージを施行した.術直後に腹痛,発熱が軽減し,保存的治療のみで退院した.結腸憩室炎に対する大腸内視鏡による膿瘍ドレナージは,外科的なサポート下において1つの治療オプションとして考慮できる手技と考えられた.

著者関連情報
© 2008 日本大腸肛門病学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top