日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
腸重積で発症し,待機的に腹腔鏡補助下手術を施行しえた若年女性盲腸癌の1例
阿南 勝宏原田 勝久野口 剛
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2008 年 61 巻 7 号 p. 420-425

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抄録

症例は35歳,女性.2007年3月下旬,前日から続く右下腹部痛を主訴に前医を受診し,腹部超音波検査で腸重積を疑われ当科へ紹介となった.右下腹部に手拳大の腫瘤を触知し,腹部CT検査にて同心円状の多層構造を認めた.下部消化管内視鏡検査では,先進部の盲腸に亜有茎性の隆起性病変を認め,生検の結果は高分化腺癌であった.重積は送気により容易に整復されたため,待機手術とした.腹腔鏡下に観察したところ,回盲部が上行結腸に嵌入していたが,牽引にて容易に整復され,腹腔鏡補助下に回盲部切除術およびD2郭清を行った.病理組織学的所見は高分化腺癌,pSM,ly0,v0,pN0,Stage Iであった.成人の腸重積は器質的疾患によるものがほとんどであるが,術前診断が不明のまま緊急手術となることもある.今回われわれは腸重積を整復後,待機的に腹腔鏡補助下手術を施行しえた若年女性盲腸癌の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

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© 2008 日本大腸肛門病学会

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