日本大腸肛門病学会雑誌
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臨床研究
肛門部膿皮症と低位筋間痔瘻鑑別診断における経肛門的ラジアル式エコー検査と経皮的リニア式エコー検査併用の有用性
中島 康雄辻仲 康伸
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キーワード: 膿皮症, 痔瘻, 超音波診断
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2008 年 61 巻 8 号 p. 521-526

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抄録

肛門部膿皮症と痔瘻の鑑別は指診のみでは非常に難しい.しかし,超音波診断では膿皮症や痔瘻の病巣を明瞭に描出できる.その特性を利用し超音波を補助診断として用いた場合の有用性を検討した.膿皮症50例と低位筋間痔瘻100例について,指診のみの診断と経肛門的ラジアル式エコーおよび経皮的リニア式エコー併用による診断が手術所見とどの程度一致するかを比較した.また経皮的リニア式エコーにより膿皮症や皮下腫瘤の質的診断がどの程度可能かについても検討した.結果: 指診のみの診断的中率(手術所見との一致率)は膿皮症が60%,痔瘻が86%であった.超音波診断併用の診断的中率は膿皮症94%,痔瘻99%であり共に向上した.経皮的リニア式エコーにより膿皮症,粉瘤や脂肪腫などの質的診断も可能であった.経肛門的ラジアル式エコーと経皮的リニア式エコーを併用する術前診断は極めて有用な補助診断と考えられた.

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© 2008 日本大腸肛門病学会
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