日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
緊急減圧術を施行した急性結腸偽閉塞症(Ogilvie症候群)の1例
小川 久貴池永 雅一安井 昌義宮崎 道彦三嶋 秀行中森 正二辻仲 利政
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2009 年 62 巻 3 号 p. 190-193

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抄録

症例は55歳男性.5日前からの腹部膨満,腹痛を主訴として近医を受診した.腹部単純X線検査にて回盲部が内径約7cmと拡張し,右結腸から横行結腸,脾彎曲部にかけて著明な拡張が認められた.腹膜刺激症状をともなっていたため急性腹症の診断で,当院を紹介受診した.大腸癌による器質的腸閉塞との診断で入院当日に緊急手術を施行した.術中所見では腸管穿孔を認めず,また明らかな閉塞機転はなかったが,右側結腸の著明な拡張と腸管壁の非薄化を認めた.以上より急性結腸偽性閉塞症(Acute Colonic Pseudo-Obstruction: 以下ACPOと略す)と診断し,減圧目的で横行結腸に人工肛門を造設した.術後の全身検索で無治療の糖尿病を有することが判明し,糖尿病を基礎疾患とする続発性のACPOと診断した.本症例は緊急の外科的減圧処置により腸管穿孔を防止できたと考えられた.

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© 2009 日本大腸肛門病学会
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