日本大腸肛門病学会雑誌
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原著
大腸3D-CT検査で良好な腸管拡張を得るために鎮痙剤は必要か?
永田 浩一伊山 篤花塚 文治加藤 博之山田 理恵子
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2010 年 63 巻 3 号 p. 127-133

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抄録

目的:ブチルスコポラミン臭化物注射剤(ブスコパン®注)が大腸3D-CT検査における腸管拡張程度の改善に寄与するか検討した.対象・方法:大腸3D-CT検査を受けた150例を対象として,75例はブスコパン未使用群,75例をブスコパン使用群の2群に分けた.大腸を6区分に分類して合計1,800の大腸区分の腸管拡張程度を評価者3名が互いに独立して4段階の腸管拡張スコア(4点:十分に拡張している.3点:観察できる程度に拡張はしているが,十分な拡張ではない.2点:拡張が不十分で観察に支障がある.1点:拡張していない.)で評価した.結果:両体位の全部位における腸管拡張スコアの平均はブスコパン未使用群で3.59,ブスコパン使用群では3.57であり,両群間で有意差を認めなかった(p=0.48).結論:大腸3D-CT検査においてブスコパンの使用が腸管拡張程度の改善に寄与するという有用性は確認できなかった.

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© 2010 日本大腸肛門病学会

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