日本大腸肛門病学会雑誌
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臨床研究
肛門部慢性疼痛患者の新しい治療法とその効果の精神的な側面の検討
武田 元信
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2010 年 63 巻 3 号 p. 147-151

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抄録

肛門部慢性疼痛患者の新しい治療法とその効果の精神的な側面を検討した.
抗うつ薬SSRIと抗不安薬の併用する治療により著しい改善をみる症例を多数経験し,その治療法の精神的評価として患者にSDSテストを行いその治療効果を評価したのでそれぞれ報告する.抗うつ薬SSRIと抗不安薬による治療経験治療としてロラゼパム0.5~1.5mg/日,スルピリド50~150mg/日,パロセキチン10~20mg/日を投与した.疼痛評価はVASスケールによる10段階評価とした.67%の患者で有効が確かめられた,次に抗うつ薬SSRIと抗不安薬によって治療した患者の精神的側面の検討をした.疼痛評価はVASスケール,精神的側面の評価はSDSで評価した.SDSが50点以上の患者はSSRIの投与が特に有効だった.慢性疼痛の治療には疼痛そのものに対する治療と疼痛によるうつに対する治療が必要である.

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© 2010 日本大腸肛門病学会

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