2012 年 65 巻 4 号 p. 197-203
目的:大腸癌の腹腔洗浄細胞診の臨床的意義をシステマティックレビューにより検討する.方法:MEDLINEと医学中央雑誌を文献データベースとして検索した文献から,選択した33文献を対象として解析した.結果:(1)腹腔洗浄細胞診の陽性率は平均5.1%(範囲:1.0~28.4%)であった.(2)腹腔洗浄細胞診の陽性率には原発巣の深達度,腹膜転移などが関連した.(3)腹腔洗浄細胞診の陽性例は再発(全再発,腹膜再発,局所再発)が有意に高率であった.結論:腹腔洗浄細胞診は再発予測因子として有用な臨床的指標であり,臨床決断の際に十分に考慮すべきである.