抄録
国際腹膜播種学会は腹膜播種の治癒を目指す包括的治療法を提唱してきた.肉眼的に認められる播種を腹膜切除で可及的切除し,遺残した微少転移を術中・術後腹腔内化学療法で治療する方法である.この方法による術後合併症発生率は容認できる範囲内である.5年生存率も19%前後と全身化学療法単独の生存率より良好である.イギリスのガイドラインで,この包括的治療は大腸癌播種に対する最も有効な治療法として推奨されている.この治療の適応は播種が1・2領域に限局した例である.広範な転移のある例・完全切除が不可能と思われる例・高齢者や重篤な併存症を有する例は適応から外す,この方法はLearning curveに達していない施設では行うべきではない,今からこの方法を行いたいと考えている施設は,経験豊富な施設での研修を受けなければならない.本邦でのこの治療法の普及が急がれる.