日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
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主題II:慢性便秘症の診療
III.慢性便秘症の治療 各論(便秘症と腸内フローラ)
尾﨑 隼人城代 康貴鎌野 俊彰舩坂 好平長坂 光夫中川 義仁柴田 知行大宮 直木
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2019 年 72 巻 10 号 p. 609-614

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抄録

便秘症は日常診療でありふれた症状であり,本邦における有病率も高い疾患である.慢性便秘症は以前より腸機能の観点からその機序や治療法が研究されてきた.近年の次世代シーケンサーの登場とその精度向上により,腸内細菌叢の網羅的な解析が可能となり,様々な病気と腸内細菌のかかわりが明らかとなった.慢性便秘症も腸内細菌とその代謝産物が原因の1つとして明らかになりつつあり,その臨床応用が試みられている.慢性便秘症患者の腸内細菌叢の乱れを是正する方法として,プロバイオティクスやプレバイオティクスの有用性が指摘されている.最近ではより豊富な腸内細菌を投与できる糞便移植の臨床応用が試みられている.

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© 2019 日本大腸肛門病学会

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