日本の伝統薬である漢方薬が,慢性便秘症に対する治療戦略の中にどのように組み込まれるべきなのか,慢性便秘症の病態から3つのサブグループ(大腸通過遅延型,大腸通過正常型,便排出障害型)に分類されており,それぞれに適応できる可能性が高い漢方薬の中で,基礎的エビデンス,臨床的エビデンスの観点から選択した.大腸通過遅延型には大建中湯,大腸通過正常型には麻子仁丸(マシニンガン),大黄甘草湯(ダイオウカンゾウトウ),潤腸湯(ジュンチョウトウ),便排出障害型には大建中湯を取り上げ,西洋薬学的薬理作用とエビデンスを中心として概説した.