日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
肛門周囲巨大尖圭コンジローマの1例
津村 朋子矢野 匡亮市原 周治大谷 弘樹
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2019 年 72 巻 3 号 p. 112-116

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抄録

肛門周囲に発生した巨大尖圭コンジローマの1例を経験したので報告する.患者は25歳,男性.肛門周囲の掻痒感を認め,その後,肛門周囲皮膚の隆起に気付いた.徐々に隆起が増大し,1年を経て,肛門部腫瘤を主訴に当科を受診した.腫瘤は肛門周囲の左右両側の皮膚から発生し,14×6cm大,カリフラワー状で弾性軟,悪臭を伴い,灰白色からピンク色を呈していた.肛門管内や直腸に腫瘍の増殖や進展は認めなかった.巨大尖圭コンジローマの診断で外科的切除を施行した.腫瘤より約1cmのmarginを確保し,主に皮下脂肪織浅層の深さで腫瘍を切除した.病理組織所見では,角化上皮の乳頭状増殖を認め,表皮上層にkoilocyteを認めた.基底細胞層の乱れや異型性はなく,悪性像は認めなかった.術後経過は良好で,術後3日目に退院した.術後4年が経った時点で,再発は認めてない.

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© 2019 日本大腸肛門病学会

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