2019 年 72 巻 6 号 p. 395-404
フォローアップ検査がなされた2,740例(61.9±37.7月,3.33±1.64回)を初回所見別にA群:正常大腸633例,B群:微小腺腫放置721例,C群:低異型度腺腫切除622例,D群:高異型度腺腫,粘膜内癌切除307例,E群:浸潤癌切除457例に分類し後ろ向きに検討した.異時性の低異型度腺腫,高異型度腺腫または癌(Index lesion)の累積発生率は,Kaplan-Meier法によるLogrank検定にて,両者ともA群,B群,C群,D群の順に段階的に有意に増加した.しかし低異型度腺腫はE群で有意に減少した.3年未満,5年未満のIndex lesion発生率はA群1.9%,1.7%,B群2.3%,3.2%,C群3.2%,3.8%,D群4.0%,5.3%,E群6.9%,7.8%であった.4%を許容頻度とすれば,A,B,C群は5年間は許容されD群は5年間,E群は3年間で許容頻度を超えた.