2020 年 73 巻 3 号 p. 137-141
腫瘍径が径10mm以下の直腸神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)に対しては内視鏡的切除が推奨されている.今回われわれは径4mm大の直腸NETに対して内視鏡的切除後の病理診断で脈管侵襲陽性であったため外科的切除を施行しリンパ節転移を認めた症例を経験した.原発巣が微小病変であっても内視鏡的切除後の病理組織学的検査所見においてリンパ節転移の可能性が示唆されるような症例に対しては外科的切除を考慮すべきであると考えられた.