2021 年 74 巻 8 号 p. 453-460
【目的】高難度症例に対するロボット支援下直腸切除術の有用性について検討する.
【方法】2019年6月から2020年10月までに当科で施行された高難度症例に対するロボット支援下直腸切除術(R群)24例,腹腔鏡下直腸切除術(L群)26例の手術成績を比較検討した.高難度症例は,①Rb症例,②Ra症例のうちa)男性,b)BMI≥25kg/m2,c)腫瘍径≥5cmのいずれかを満たす症例と定義した.
【結果】R群で出血量は有意に少なかった(p=0.007).R群において,Clavian-Dindo分類Grade2以上の術後合併症は3例(12.5%),Grade3以上は1例(4.2%)であり,L群と比較して術後在院日数は有意に短かった(p=0.024).
【結語】高難度症例に対するロボット支援下直腸切除術の短期手術成績は良好であり,ロボット支援下手術が高難度症例に対して有用である可能性が示唆された.