日本大腸肛門病学会雑誌
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原著
外来を受診したfecal impaction症例の臨床像
安達 亙塩澤 秀樹小松 修
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2022 年 75 巻 7 号 p. 327-332

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抄録

背景・目的

本邦ではFecal impaction(FI)への関心は低く臨床的検討は少ない.FIで医療機関を受診する患者の特徴を明らかにすることを目的とした.

対象・方法

外来を受診したFI症例60例の診療録を解析した.

結果

平均年齢は74.6歳,男性36例,女性24例,併存疾患として精神神経疾患を10例に認めた.便秘のある症例が半数以上を占めたが16例では便秘の既往はなかった.51例でFI発症の誘因はなかった.自覚症状は排便困難,肛門部痛が多く診断は比較的容易であったが,8例に溢流性便失禁が認められ,認知症の併存頻度が有意に高かった.浣腸,摘便で改善したが,3例では麻酔を要した.7例に再発を認めた.

結論

FIは高齢者に一般的にみられる疾患である.診断,治療は比較的容易であるが,溢流性便失禁の認識が必要であり,特に認知症患者では重要である.

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© 2022 日本大腸肛門病学会

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