日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
ISSN-L : 0047-1801
直腸炎型潰瘍性大腸炎の治療
井上 幹夫吉田 一郎永田 晋
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 31 巻 6 号 p. 558-560,633

詳細
抄録

罹患範囲が直腸に限局する直腸炎型,あるいは極く僅かにS字状結腸に及ぶ直腸S字状結腸炎は,潰瘍性大腸炎の10~40%を占め,症状が軽く合併症も少く,自然緩解を起し易いことが知られている.教室の潰瘍性大腸炎症例43例のうち10例(23%)が直腸炎または直腸S字状結腸炎で,いづれも軽症で合併症はなかった.本症の治療には主としてサラゾピリンと,ステロイドの注腸または坐薬が用いられている.教室例の治療成績では,サラゾピリン単独で,臨床的には75%,内視鏡的には69%が緩解し,またサラゾピリンで緩解しなかった3例は,全てステロイド注腸により症状的にも内視鏡的にも緩解した.直腸炎型に対する治療法と予後に関する考察を加えた.

著者関連情報
© 日本大腸肛門病学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top