日本大腸肛門病学会雑誌
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痔瘻の手術に必要な肛門の解剖・生理
隅越 幸男岡田 光生岩垂 純一石田 裕竹之下 誠一
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1980 年 33 巻 5 号 p. 444-447,516

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抄録

痔瘻の手術にあたって肛門機能を損なわずに,確実に治癒させるためには,痔瘻の原発口をふくむ原発巣の除去,瘻管の走行と括約筋との関係を熟知して,括約筋温存あるいは肛門保護手術を適切に行うことである.
そのためには,肛門の解剖,生理を十分に理解しておく必要がある.とくに肛門腺の存在部位,炎症の波及する経路,肛門管およびそれをとりかこむ肛門括約筋,連合縦走筋,肛門挙筋さらにそれらの間にある組織間隙などについて,その位置,機能を知っていなければならない.
以上の理解が得られれば,複雑な瘻管でもその形を術前に把握でき,必要な括約筋の切断,最少の手術侵襲によって,確実に治癒させ得るものである.
われわれは痔瘻に対して常にこのような考えのもとに手術を行っている.

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