大腸癌手術の補助化学療法の一つにMMCとFT-207を併用する, いわゆるMF療法がある.今回, 本療法の一つである梶谷班1次方式を施行した90例の成績について検討を加えた.
まず3年生存率は全体で87%で, 化学療法施行群 (化療群) は88%, 化学療法非施行群 (非化療群) は83%で両者の間に有意差はみられなかった.stage別, Dukes分類別, 壁深達度別, n因子別に化療群と非化療群の差を検討したが, いずれにおいても両群間に有意の差は認められなかった.
一方5年生存率は全体で77%で, 化療群は84%, 非化療群は60%と化療群が有意に高い傾向を示した.また各因子別の比較では, 特にDukes C症例において化療群が非化療群に対し有意に高い5年生存率であった.