日本大腸肛門病学会雑誌
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37 巻 , 3 号
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  • 唐牛 忍, 今 充, 村上 哲之, 森田 隆幸, 小野 慶一
    1984 年 37 巻 3 号 p. 209-215
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    大腸癌手術の補助化学療法の一つにMMCとFT-207を併用する, いわゆるMF療法がある.今回, 本療法の一つである梶谷班1次方式を施行した90例の成績について検討を加えた.
    まず3年生存率は全体で87%で, 化学療法施行群 (化療群) は88%, 化学療法非施行群 (非化療群) は83%で両者の間に有意差はみられなかった.stage別, Dukes分類別, 壁深達度別, n因子別に化療群と非化療群の差を検討したが, いずれにおいても両群間に有意の差は認められなかった.
    一方5年生存率は全体で77%で, 化療群は84%, 非化療群は60%と化療群が有意に高い傾向を示した.また各因子別の比較では, 特にDukes C症例において化療群が非化療群に対し有意に高い5年生存率であった.
  • 佐藤 光弥
    1984 年 37 巻 3 号 p. 216-227
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    著者は腸管自動吻合器EEAによる吻合創治癒過程について手縫い吻合法のそれと比較検討すべく雑種成犬47頭を用いて動物実験を行った.その結果EEA吻合は, その創癒合の面でGambee吻合に比較するとやや遅れるものの, 吻合部狭窄も少なく優れた吻合法のひとつであると思われた.しかし吻合当初EEA吻合部は高度の粘膜欠損状態でしかも内翻された腸管はその全層断面が腸管腔内へ露出しているなど独特な吻合法と言える.また, 再生上皮形成が盛んになるのが術後7日目, そして粘膜修復までには14日間を要することを考慮し, 術後少なくとも7日間以上吻合部の安静を保持するとともに感染予防が重要であることが考えられた.EEA吻合は深部操作でも確実かつ操作が容易であると考えられる.ゆえにEEAは手縫い吻合法では非常に困難な低位前方切除術を安全かつ普遍的な術式にし, その適応拡大にも重要な役割を果すものと考えられた.
  • 斉藤 典男, 奥井 勝二
    1984 年 37 巻 3 号 p. 228-240
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    術前に直腸癌の壁深達度診断およびリンパ節転移の有無の検索を行う目的で, 直腸癌50例, 直腸カルチノイド2例の計52例を対象に, 体腔内走査の経直腸的超音波断層法を施行し, 組織学的所見と対比してその正確性を検討, また切除標本の水浸下エコーグラムを描出して直腸癌の超音波組織特性についても検討し, 次の結果を得た.本法により, 骨盤内臓器が明瞭に描出され, 直腸癌腫はlow echo levelの像を, また転移リンパ節の典型像は辺縁鮮明な類円型のlow echo levelの像を示した.超音波所見により3群に分類した壁深達度診断では86.4%の正診率を示し, またリンパ節転移の診断に関しては75.7%の正診率を得た.以上の成績より, 本法は術前に, 直腸癌の客観的な壁深達度診断, リンパ節転移の有無の指摘が可能であり, 手術術式の決定において重要な検査法である.
  • 新藤 健
    1984 年 37 巻 3 号 p. 241-249
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    下部大腸悪性腫瘍の術前40例, 術後51例に骨盤CT検査を施行した。術前検査では, 腫瘍の存在診断については89.8%の正診率でほぼ満足のいく結果であった.壁深達度診断の正診率はS-Ra癌で68.6%, Rb-P癌では78.9%と下部癌の方が診断率は高かった.CT angiographyでの壁深達度診断は両部位とも100%正診で診断能の高さを示しpartial volume effectの解消にも役立つと考えられた.SAGとの比較では正診率はCTの方が高かったが, 両者ともに大きな誤診例は少なく, 有用な検査と考える.リンパ節転移に関しては正診率73.0%と一応の数値を得たが, 質的判断は困難な場合が多かった.術後局所再発有無の検討でCTは85.7%の正診率を示したが, 全例組織学的検索が行われたわけではなく, 術前データほどの信頼性に欠けるが, 十分その診断能力は確認された.とくに腹会陰式直腸切断術後の局所再発症例では, CTは再発確認のための最も有力な検査法といえよう.
  • 野登 隆, 康 聖栄, 園田 浩基, 田島 知郎, 三富 利夫
    1984 年 37 巻 3 号 p. 250-254
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    15歳男性に直腸に限局して多発集簇性に発育するpolypを認めた.polypの表面は粘液に覆われ, 一見villous adenomaも考えられたが, 患者が15歳の少年であることも考慮し経肛門的に直腸粘膜抜去術を施行した.摘出標本の検索ではポリープは小ポリープの集簇により形成され, 組織像はやや非定型的ではあるがmetaplastic polypを思わせた.しかし周囲に微小ポリープの発生像もみとめられ, polypの成因としてはhamartomatousな要素が推察された.
  • 五十嵐 正広, 広門 一孝, 鈴木 裕, 相羽 英雄, 山本 佳正, 勝又 伴栄, 岡部 治弥, 中 英男
    1984 年 37 巻 3 号 p. 255-260
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎 (以下UCと略す) に十二指腸全域にびまん性の十二指腸炎を合併した報告は極めてまれであり, 1960年Thompsonが類似例を報告しているのみである.われわれは, 全結腸炎型のUCに, 十二指腸球部より, 十二指腸空腸曲に至る十二指腸炎の合併した例を経験したので報告する.症例は39歳 (初診時32歳) 主婦.心窩部痛, 軟便を主訴に来院.注腸造影では全結腸炎型を呈し, 内視鏡, 生検組織学的検索においてもUCに一致する所見であった.上部消化管造影では, 十二指腸球部より, 十二指腸空腸曲にかけ, 連続的な管腔の狭小化, 壁の硬化像, ビラン形成を認め, 第3部では狭窄も伴っていた.生検組織においては, 好中球を主とする炎症細胞浸潤, cryptitis, crypt abscessなどの像を認めた.本例は7年半の経過をみているが, 十二指腸病変と大腸病変とは, ほぼ同時期に緩解, 増悪をくり返し, UCと同一病態の十二指腸病変と考えられる興味ある一例である.
  • 固武 健二郎, 米山 桂八, 宮田 潤一, 芳賀 佳之, 塚本 拓司, 林 亨
    1984 年 37 巻 3 号 p. 261-266
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    直腸カルチノイドの5例を経験したので, 本邦報告例の集計を加えて報告する.自験例は男2例, 女3例, 平均年齢51歳, 4例はドック検診で発見された.いずれも無症状で, 腫瘍の最大径は6~8mm, 肛門縁より5~7cmに存在し, 生検にてカルチノイドと診断された.局所切除を施行し, 深達度はsm, 銀反応は1例のみ陽性であった.
    渉猟しえた本邦報告例は436例であった.男女比は1.49 : 1, 平均年齢47.8歳.腫瘍は肛門縁から5~8cmに好発し, 腫瘍径20mm以下のものが8割強を占めた.転移率は20mm以下7.8%, 21mm以上77%, 筋層浸潤は20mm以下13%, 21mm以上85%で, 欧米の報告と差はなかった.しかし, 20mm以下の症例のうち, 11~20mmの転移率, 筋層浸潤率は, それぞれ23%, 31%と高率で, これらの治療方針の選択を最も慎重に行う必要があると考える.
  • 岡村 孝, 井上 敏直, 竹村 和雄, 丸山 洋, 佐藤 いづみ, 三島 好雄, 中谷 林太郎, 千田 俊雄
    1984 年 37 巻 3 号 p. 267-272
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    嫌気性菌に対してメトロニダゾールを, 好気性菌に対して従来から第1選択とされていたカナマイシンを併用投与する大腸術前処置について, カナマイシン単独投与及び機械的腸処置のみの方法と大腸内細菌叢に及ぼす影響と術後感染症の予防効果を比較検討した.処置後の大腸内容1gm当りの菌数は, 嫌気性菌, 好気性菌とも著しく減少した.同様の背景因子, 術式をもつ患者群で術後感染症の発生率を比較し, 創感染に対してより優れた予防効果を認めた.さらに, カナマイシン使用に伴う問題を解決するためにポリミキシンBを選択し, メトロニダゾールと併用して, カナマイシンとメトロニダゾールの併用と同様に比較検討した.Streptococcusを除く大腸内細菌叢の減少効果と術後感染症の予防効果に差を認めず, ポリミキシンBとメトロニダゾールの併用投与の方が好ましいと考えられた.
  • 大浜 和憲, 塚原 雄器, 南部 澄, 野崎 外茂次, 北谷 秀樹, 川中 武司, 梶本 照穂
    1984 年 37 巻 3 号 p. 273-278
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    肛門内圧検査法はヒルシュスプルング病の診断や排便機能評価に今や欠かせない検査法となっている.今回私たちは直腸肛門奇形の病型診断に肛門内圧検査法を導入し, その有用性を検討した.症例は腟前庭瘻を有する女児2症例で, 従来より行われているゾンデによる検索, 瘻孔造影および瘻孔の長さ測定では中間位のrecto-vestibular fistulaなのか, 低位のano-vestibular fistulaなのかの鑑別は困難であった.肛門内圧検査で, 両者とも正常の直腸肛門反射および肛門管律動波が認められ, 腸内神経叢, 内肛門括約筋の存在が生理的に証明され, 低位ano-vestibular fistulaと診断することができた.
    症例1ではcut back手術, 症例2ではanal transplantationが行われた.このように肛門内圧検査で直腸肛門反射, 肛門管律動波が認められれば低位, 認められなければ中間位あるいは高位とclear cutに診断を下すことができ, 腟前庭瘻ばかりでなく, 他の外瘻を有する症例にも病型診断の一助になるであろう.
  • 千葉 満郎, 中島 均, 佐野 正明, 福士 道夫, 相沢 中, 吉田 豊, 棟方 昭博
    1984 年 37 巻 3 号 p. 279-283
    発行日: 1984年
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    昭和45年salicylazosulfapyridine (Salazopyrin) が潰瘍性大腸炎に使用されて以来, 本症活動期におけるその有効性はよく知られている.本剤の再燃防止効果の報告は欧米から2, 3報告されているが, 本邦では未だない.Salazopyrinの潰瘍性大腸炎における緩解維持効果について, 教室例でretrospectiveに検討を行った。対象は, 緩解維持を目的として本剤2g/日を服用した51例と, 非服用の48例である.服用群と非服用群の緩解維持曲線の間に有意差はなかった.しかし, 服用期間別にみると, 服用開始7-9ケ月において, 服用群の維持率が77%, 非服用群が58%で有意差があり (p<0.05), また50%緩解維持は, 前者で24ケ月, 後者で12.5ケ月で, 明らかに前者で長かった.これらのことより, Salazopyrinは, 本症の緩解維持に有効であり, 緩解後1年間は服用すべきと考えられた.しかしながら, 2年以上の長期緩解例は非服用群に多く, 今後検討すべき課題と考えられた.
  • 家田 勝幸, 松本 孝一, 石本 喜和男, 山本 真二, 康 権三, 坂口 雅宏, 小林 康人, 永井 祐吾, 岩橋 俊幸, 坂本 幸具, ...
    1984 年 37 巻 3 号 p. 284-288
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    和歌山県下の山間部の30歳以上の地域住民を対象に大腸癌の集団検診を行った.直腸鏡およびヘモカルトスライドを用いて行った.
    1) 直腸鏡, ヘモカルトスライドの受診率はそれぞれ全対象者の7.8%, 14.9%であった.
    2) 全受診者の1/4に痔核等の肛門疾患がみられた.
    3) 直腸鏡では2例 (0.2%) の直腸癌が発見された.1例はDukes Bの進行癌で, 1例はsm癌であった。さらに, 19例 (1.9%) の腺腫を見出した.一方, ヘモカルトスライドではneoplasmは1例もひろい上げることはできなかった.
    4) 便潜血反応によるスクリーニングは簡便であり, 受診率を上げるのにもきわめて有効な方法である.しかしながら, 進行直腸癌でも陰性のことがあり, 一次検診に最小限, 直腸鏡までは加えるのが良いと考えられるが, より効率的な集検システムの開発にはさらに検討を要する.
  • 網野 三郎
    1984 年 37 巻 3 号 p. 289-292
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 隅越 幸男
    1984 年 37 巻 3 号 p. 292-297
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • Victor W. Fazio, Robin S. McLeod
    1984 年 37 巻 3 号 p. 298-307
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 野垣 茂吉
    1984 年 37 巻 3 号 p. 308-315
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 37 巻 3 号 p. 316-318
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 37 巻 3 号 p. 318-319
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 37 巻 3 号 p. 319-320
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 37 巻 3 号 p. 320-339
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
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